本当は、骨はカルシウムよりケイ素

骨粗しょう症の治療と予防

骨粗しょう症予防の為、骨が成長している20代迄に最大骨量を上げる事が有効とされています。骨量は年々低下していきますが、最大骨量が平均値を大きく上回れば低下していってもある程度の骨量は維持できるというわけです。しかし、骨粗しょう症に真剣に向き合う頃には骨の成長期はとっくに終了しています。

では成長期までに骨量を増やせなかったらもう手遅れなのでしょうか?現在では骨粗しょう症の研究が進み、様々な薬が開発されています。服薬による治療の他に骨のアンチエイジングも有効です。食事や生活の改善により骨量の減少スピードを遅らせる事はできます。これが骨のアンチエイジングです。

歯周病のコーナーで骨粗しょう症の患者さんは歯周病が重症化しやすくなる他、骨粗しょう症の薬の中には歯科治療に影響を及ぼすものがあり、並行して治療を受けられない可能性があるとお話をしました。そういう観点でも骨のアンチエイジングには早いうちから取り掛かっておくことが大切です。

骨のアンチエイジング

骨のアンチエイジングが大切です。まずは骨密度の低下を緩やかにしましょう!と言われても、果たして何をすればよいのでしょうか?

かつては骨密度を上げるためにカルシウムやビタミンDを取り、日光をあびて運動をするというのが一般的でした。しかし近年の医学、科学、分析化学の進歩により骨密度はもちろん、骨質にも密接に関係する、アンチエイジングの救世主とも言えるミネラルの存在が明らかになっています。それがケイ素です。ケイ素と骨密度の関係を調べた研究をご紹介いたします。ケイ素とこの研究以外の研究については後半のケイ素のコーナーで詳しくお話をしたいと思います。

<フラミンガム子孫研究 有名な大規模研究>
※米国と英国の共同研究 1970~ 「Dietary Silicon Intake Is Positively Associated With Bone Mineral Density in Men and Premenopausal Women of the Framingham Offspring Cohort」

食事からのケイ素摂取量と骨密度との関連を調べました

米国と英国の研究グループは、1970年から、フラミンガム子孫研究の参加者2,846人(30~87歳、男性1,251人、女性1,596人)の食生活を調査。同時に、背骨(腰椎)や足の付け根の骨(大腿骨けい部)の骨密度を測り、食事からのケイ素摂取量と骨密度との関連を調べました。

その結果、最もケイ素摂取量が多いグループ(40 mg/日以上)は、 最もケイ素摂取量が少ないグループ(14 mg/日未満)より 骨密度(BMD)が10%近く高いことが判明しました。
「食事からのケイ素摂取量の差が骨密度に及ぼす影響は、カルシウムよりも大きい」
と結論づけられました。

この研究により骨密度に大きく影響があるとされたケイ素ですが、最近の研究ではコラーゲン同志を繋ぎ止める役割がある事が知られ、骨密度だけではなく骨質にも影響することがわかっています。骨密度と骨質の両方に関係するケイ素は、まさに骨のアンチエイジングの救世主といえます。