ケイ素の役割:良質なコラーゲンを作る!

ケイ素の役割

ケイ素は具体的にどのような役割をするのでしょうか?

ケイ素はコラーゲンと非常にかかわりが深いミネラルです。コラーゲンはヒトの全たんぱく質の約30%を占めます。真皮、靱帯(じんたい:骨と骨を繋ぐ結合組織の束)、腱(骨格筋が骨に付着する部分の筋肉)骨、軟骨などを構成していて、皮膚に最も多く存在していますが、爪・毛・髪・にも存在します。2003年のコラーゲン合成に関する研究で、ケイ素はコラーゲンの生成と骨芽細胞の分化を促進する作用がある事が確認されています。

ケイ素はムコ多糖類に多く存在することも知られています。ムコ多糖類というとピンとこない方もいらっしゃるかも知れませんが、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸もムコ多糖です。ヒトの細胞の間にはムコ多糖類が多く存在し、代謝などに非常に重要な役割を果たしています。

ここで骨粗しょう症のコーナーで出てきた骨質に影響するコラーゲン架橋にお話を戻してみます。コラーゲンは骨の中で鉄筋のような役割を果たしているとお話をしました。このコラーゲン繊維の間にはムコ多糖類があり、ケイ素はコラーゲンとムコ多糖の骨格に結合しています。いくら鉄骨があってもバラバラではビルは建ちません。鉄骨同士を繋ぎ止める部品、接着剤のようなものが必要になります。それがケイ素です。

骨の柔軟性はコラーゲン繊維同志が正しく繋ぎ止められているかどうかに関係するとお話をしました。すなわちケイ素の存在と役割が非常に重要なのです。

ところで、コラーゲン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、アンチエイジングでよく聞く言葉ばかり出てくることにお気づきでしょうか?老化が進むと皮膚中のケイ素含有率が減る事が知られています。そしてどの老化現象にもムコ多糖類の減少を伴うのです。

老化が進むと皮膚中のケイ素含有率が減る

まとめ

  • ・ケイ素はすでに基礎医学の分野で恒温動物における必須性が確立され、臨床医学の分野で様々な病気との関係が注目されてきている
  • ・フラミンガム子孫研究においてケイ素はカルシウム以上に骨密度への影響が大きいと報告されている
  • ・イネ科植物を原料とし、薬品や添加物を使わないで作った植物性ケイ素の摂取により閉経後の女性の骨密度が上昇したという報告がある
  • ・ケイ素摂取量が多い国は骨の障害率が少ない
  • ・ケイ素は骨密度と骨質両方に重要なミネラルである
  • ・ケイ素はコラーゲンの生成と骨芽細胞の分化を促進する作用がある
  • ・ケイ素はさまざまな食品に含まれるが、食品ごとに吸収率が異なる
  • ・ケイ素はコンドロイチン硫酸やヒアルロン酸といったムコ多糖類に多く存在する
  • ・ケイ素はコラーゲン繊維と細胞間物質であるムコ多糖に結合している
  • ・老化が進むと皮膚中のケイ素の含有率が下がる