言うまでもなく、歯はとても大切な体の部位です。以前、大規模に行われた某雑誌のご年配者の方々へのアンケート「老後になって、もっと若いうちからやっておけばよかった、と後悔すること」に対する回答結果において、男女ともにトップ3内に「歯の手入れ」という回答がありました。やはり、歯周病などの歯の問題で悩んでいる方は非常に多く、とくに歯周病患者とその予備軍は年々増えている様です。
さて、ここでは歯の健康の中で、特に中年期以降の生活に大きく影響のある歯周病についてお話をします。
乳幼児から思春期までの口の中のトラブルは主に虫歯です。青年期に入ると歯肉炎が増加し、歯周炎が発症していきます。中年以降は歯周炎が進行し、老年期になると歯の消失に繋がります。
歯周病とは歯周炎や歯肉炎などの歯周病菌が原因で歯茎など歯の周りに起こる病気で、歯茎が腫れて血が出たり、歯槽骨が溶けたりする病気です。下の図のように歯の周りの歯垢に歯周病菌が繁殖し、歯茎が炎症を起こし、歯槽骨を溶かしていきます。
歯槽骨の破壊が進むと歯がぐらついて最終的には歯の消失に至ります。
歯周病も骨粗しょう症と同じく、その完全な治療法や対策、予防法がまだ確立されているとはいない病気です。日本だけでも数万人の患者と、その数倍の予備群が潜んでいると言われます。一方で、現在では、予防や治療に関わるサプリメントや抗体ジェルなども販売されはじめてはいますが、まだまだ治療や対策に悩まされている人が多い病気です。