ケイ素の人体吸収率

ケイ素の吸収率

前のコーナーの植物性ケイ素について、人体にとって消化、吸収しやすいものだから閉経後の女性の骨密度を上げたのではないかという推測を述べました。

人間は食べ物を食べたら消化し、吸収します。しかし同じ成分を含むものでも消化、吸収のしやすさは異なりますし、調理方法でも違いが出ます。皆さんも鉄分はほうれん草より赤みの肉やレバーの方が吸収率が良いとか、人参のビタミンAは脂溶性だから油でいためて調理するという話を聞いた事があるかと思います。

稲由来の植物性ケイ素で骨密度の上昇

ケイ素も同じで食品によって吸収率が異なります。実は、「稲科のケイ素」は吸収率が他の植物性ケイ素よりも高い事が報告されています。下の図は摂取量と尿中ケイ素含有量との関係を表した図です。ケイ素は食事などで摂取されると小腸から吸収され、最終的に尿から排泄されます。ケイ素の吸収率、食べられたケイ素が本当に消化され、吸収されたかについてはケイ素の血液中、もしくは尿中の濃度を測定し、確認します。

ケイ素摂取量と尿中ケイ素含有量(渡辺先生作図)

これによると玄米や白米の吸収率が非常に高いことがわかります。米を主食とする日本人としては非常に嬉しい数値です。なるほど、稲由来の植物性ケイ素で骨密度の上昇がみられたことにも納得がいきますね。

水晶を高温や薬品で溶かした液状のケイ素水については、実際の吸収率のデータはありません。成分だけを考えるなら石英ガラスも二酸化ケイ素です。石やガラスを高温や薬品を使って溶かしたものを実際に体が吸収してくれるのだろうかは現状わかりません。