骨の老化。本当にコラーゲン不足?

骨の柔軟性にはコラーゲンの規則正しい結合が重要

コラーゲン繊維同士が鉄筋のように規則正しく結合していなければ骨の柔軟性は保てません。ではコラーゲン繊維は骨の中でどのような結合をしているのでしょうか?

コラーゲン繊維の結合を難しい言葉でコラーゲン架橋と言います。下の図はコラーゲン架橋のイメージ図です。
コラーゲン繊維同士が規則正しく結合しているところが多いと骨はしなやかで粘り強いものになり、外部からの衝撃に強くなります。しかし食生活や老化などの影響で、このコラーゲン繊維の結合が乱れ、骨質の低下を招きます。

骨のコラーゲン架橋

骨の代謝と老化

次は骨の生まれ変わりについてお話をします。骨と歯の一番の違いは再生できるかどうかです。歯は永久歯になった後は一度なくなると再生しません。それに反して骨は1年間に約1割のペースで少しずつ生まれ変わっています。古い骨を溶かして新しい骨を作るその生まれ変わりの作業を骨代謝と言います。

骨が古くなると破骨細胞が骨の表面に集まり骨を溶かします。これが骨吸収です。骨吸収により骨が溶けたくぼみに骨芽細胞が集まってコラーゲンを分泌し、そこにカルシウムを沈着させて新しい骨が作られます。これが骨形成です。破骨細胞の働きは女性ホルモンなどが抑制し、骨代謝のバランスを取っています。

ホルモンバランスの乱れによる急激な骨量低下

一定のサイクルで生まれ変わる骨ですが、骨にも成長期があります。
骨に含まれるカルシウム量は生まれてからどんどん増え、20歳位までに最大骨量に達します。その後しばらく骨量は維持されますが、男性は50歳前後から年間0.5~1%の割合で低下、女性は閉経前後から年間2~3%の急激な低下が7~10年ほど続き、骨が弱くなります。骨粗しょう症が女性に多い病気と言われるのは、このホルモンバランスの乱れによる急激な骨量低下の為です。